「フルオンチェーンNFT」という単語を聞いた時に、
- 名前的になんか良さそうなイメージはあるけど、何がフルなのか分からない
- 一般のNFTと具体的にどう違うの?
という疑問を持つ人も多いと思います。
本記事ではフルオンチェーンNFTの仕組みを解説しながら、一般的なNFTとの違いを分かりやすく説明していきます。
フルオンチェーンNFTとは
分かりやすく表現すると、フルオンチェーンとは
- 固有の識別子(ID)
- メタデータ
- 作品のデータ
の3つが全てブロックチェーン内に格納されているNFTのことです。
一般的なNFTはこの3つのうち、1つ目の「固有の識別子(ID)」だけがブロックチェーン内に格納されていて、残りの2つはどこか外のサーバーに格納されているのがほとんどになります。
単語だけでは分かりにくいと思うので、具体例を出しながら説明していきますね。
NFTを構成する3つのデータ
それぞれのデータの定義をもう少しだけ説明してから、一般的なNFTとフルオンチェーンNFTがどのような仕組みになっているのか解説します。
- 固有の識別子(ID)…トークンのID。それぞれのNFTに固有のIDが割り振られるので、Non-Fungible(ノンファンジブル:非代替)であることが証明できる。
- メタデータ…作品名などの情報
- 作品のデータ…画像や音声、映像などのデータ
どこまでがブロックチェーンに格納されているかによって、「NFTの永続性」の程度が変わってきます。
一般的なNFTの場合
OpenSeaなどで作成できる一般的なNFTは、固有の識別子(ID)だけがブロックチェーンに格納されていて、残りのメタデータと作品のデータは他のサーバーで保存されています。
イーサスキャンでNFTの情報を開くと、トークンID(固有の識別子)と一緒にIPFSネットワークに保存されたメタデータを見るためのリンクを見つけることができます。
リンクを開くと、その中に作品のデータを保存しているサーバーへのリンクが入っているという感じです。
つまりデータの所在はそれぞれ、
- ブロックチェーンにトークンIDとメタデータのリンクが保存されていて
- メタデータの中に作品データのリンクが保存されている
と、3か所にデータが保存されているということですね。
つまり、OpenSeaがサービスを終了すると例外を除いてトークンIDしか残らないということです。
「NFTを買う=作品を買っている」と思われがちですが、たいていの場合は「画像などのリンクが紐づけられたトークンを買っている」にすぎません。
ちょっとがっかりしましたか?笑
フルオンチェーンNFTの場合
一般的なNFTに対してフルオンチェーンNFTの場合、名前の通り3つのデータ全てがブロックチェーンに格納されています。
なのでチェーン自体が無くならない限り、そこに保存されているデータが失われることもありません。
そういった点では一般的なNFTよりも永続性が高いと言えるかもしれません。
なぜ全てのNFTがフルオンチェーンじゃないのか
と思いますよね。
今ある問題点として、
- 容量の限界
- 高額なコスト
- チェーンの持続性
が挙げられます。
フルオンチェーンNFTの問題1:容量の限界
NFTを作成するブロックチェーンとして最も使われているのがETHです。
全ての仮想通貨の元祖であるBTCと同じく、スマートコントラクトなどの技術の先駆けとなったイーサリアムは不動のポジションを維持しています。
そんなイーサリアムですが、弱点の1つとして扱えるデータ容量の上限が約48kbと、めちゃくちゃ少ないです。
一般的なスマホの写真ですら数Mbになりますから、絶望的なのがよく分かると思います。
NFTの始祖的ポジションのCrypto Punksはフルオンチェーンですが、それもドット絵のような見た目でデータ容量を小さく抑えることで成立しました。
Crypto Punksは「初のフルオンチェーンNFT」というブランドがあるからいいですが、ただのドット絵に価値はなかなかつきにくいですよね。
デザインが細かくて綺麗なデータ容量の大きいイラストなどをNFT化しようと思うと、作品データを他のサーバーで保存するしかない、というのがイーサリアムチェーンを使うときの制約になっています。
フルオンチェーンNFTの問題2:高額なコスト
じゃあデータさえ抑えればクリアかというと、そうでもありません。
ETHのフルオンチェーンNFTを作ろうとすると、数十万~百万以上の費用がかかってしまいます。
「全てのデータがブロックチェーン内に格納されている」というだけで数十万払おうかと思うと、そんな人はなかなかいないと思います。
よっぽどすごい画期的なものでもない限り、赤字待ったなしですね笑
フルオンチェーンNFTの問題3:チェーンの持続性
「ETHのフルオンチェーンNFTを作ろうとした場合の問題点」という視点で説明してきましたが、もちろん他のチェーンを使うことで先の2つの問題はだいぶ解決できます。
例えばsymbol(シンボル)チェーンを使ったフルオンチェーんだと、容量とコストはだいたいこのくらいになります。
- 容量上限:20MB*
- コスト:1MBごとに200XYM*(2022年10月のレートで約1200円)
上記の例はsymbolチェーンを使ったフルオンチェーンNFTを発行・販売できるCOMSAというサービスを使った時のものです。
じゃあそっちでNFTを発行したらいいのかというと、一概には言えません。
発行されたチェーン上でしかNFTはやり取りできませんから、知名度の低いチェーン上のNFTほど、市場が小さくなるので価値がつきにくい傾向にあります。
世界で一番規模の大きいNFTプラットフォームであるOpenSeaにSymbolチェーンは対応してませんから、OpenSeaで売買ができないだけでも、売るためにクリエイターのマーケティング力が余計に求められることになりますね。
しかも転売目的なら買われにくいというハードルまでついてきます。
さらにはそのチェーンが今後も持続性を期待できるのかという問題が立ちはだかります。
初めに説明したように、イーサリアムは既に兆を超える市場規模を誇っていて、しっかり利権のしがらみがあるからこそ、続いて欲しいと願う人たちが確保されて成立しています。
それに対して新しいチェーンは脆弱性が試され切っていなかったり、独自の価値を証明できなければ持続しません。
チェーンが消えてしまえば中のデータもなくなりますから、そこでNFTを作るリスクを考えないといけないわけですね。
まとめ
フルオンチェーンNFTと一般的なNFTの違いについて解説しました。フルオンチェーンNFTは
- 一般的なNFTと違い、全てのデータがブロックチェーンに格納されているので
- 永続性の期待値が高いけれども
- データ容量の限界・コストの高さ・チェーンの持続性という問題を抱えている
- 新しいチェーンでは容量やコストは抑えられるけれども
- チェーンの持続性という課題が残っている
- ある程度実力を証明して需要が高まると、今度はトークン価格が上がってコストが…
なかなか難しいですが、今後ブロックチェーン技術がさらに進化するにつれて、フルオンチェーンのハードルが下がっていくことを期待したいですね。
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