クリプトNEWS

【FTX買収!?】FTTの暴落事件の背景を詳しく解説

FTTまで!?とクリプト界隈を震撼させた、今回の事件。

LUNA・USTを彷彿とさせる暴落を見せています。

一連の流れと、今後の予想される動きをまとめていきます。

FTT暴落~FTX買収(?)までの全体の流れ

クリプト初心者にも分かりやすいよう、今回登場する主要な企業・人物に先に触れておきたいと思います。

  • FTX
    …世界最大手仮想通貨取引所Binanceとトップ争いをする海外取引所。取扱い商品の豊富さからトレーダーに愛用されている。
  • FTT
    …読み方はエフティーティー。FTXが発行した独自トークンで、ホルダーにはFTXでのトレード手数料割引などいくつかの特典がある。
  • Alameda Research
    …暗号資産取引会社。1日に10~100億ドルもの取引をこなす。多くの仮想通貨企業・プラットフォームに投資している。
  • SBF(通称アフロ)
    …本名Sam Bankman-Fried(サム・バンクマン・フリード)。今回話の要点になるFTX、Alameda Researchの創設者 兼 CEO。髪型から日本人には「アフロ」のあだ名で親しまれている。
  • CZ(Changpeng Zhao/チャンポンジャオ)
    …通称CZ(シージー)。世界最大手仮想通貨取引所Binanceの創設者 兼 CEO。

以上の人物・企業・通貨が分かっていれば、だいたいの話が分かるのでそれ以外によく分からない単語が出てきてもスルーして大丈夫です!

補足として、アフロが気になりますよね?とても分かりやすい彼の要約ツイートがあったので貼っておきます。我らがアフロをご覧ください。

FTTが暴落するまで、してからの全体的な経緯としては、以下のようなことがありました。

 

  • 11/2
    CoinDeskでAlameda Researchのバランスシートのリーク記事が出る
  • 11/6
    Alameda ResearchのCEOCarolineが取り上げられた情報はバランスシートの一部でしかないと否定
  • 11/6
    CZが保有するFTTの清算を発表
  • 11/6
    CarolineがCZにFTTを22ドルでOTC取引することをTwitter上で提案
  • 11/8
    不信から出金が相次ぎ、FTXが事前予告なしに顧客資産の引き出しを停止
  • 11/8
    CZがFTXの買収合意を発表

事実だけを列挙していきましたが、ここに予想できる当事者の思惑を混ぜて要約すると、

CZがFTXを買収したかったのでFTTの価格を一気に下げにかかった。そして思惑通り成功した。

という感じですね。

1つ1つの詳しい経緯をさらに解説していきます。

CoinDeskがAlameda Researchのリーク記事を書く

元ソースであるリーク記事はこちら。

記事内ではAlameda Researchの財務状況に対する疑いが述べられていて、その根拠として、

  • 総資産146億ドルのうち、36.6億ドルがFTTを占めている
  • 21.6億ドル分のFTTが負債の担保になっている

という点がまず挙げられていました。

FTXとAlameda Researchは両方とも創設者(そしてCEO)がSBFなんですが、2つの企業はFTTのパンプによってバランスシートを膨らませているのでは、という風に見られたということですね。

独自トークンを発行し、上場することでトークンの価値を上げることで、バランスシート上では多額の資産を保有しているように見せつけることができます。

出資者たちにその数字を見せることで業績と今後に期待を持たせてさらに出資やローンを集め、トークンの価格をさらに高めるというループを作り出すことで見かけ上の資産を増やす仕組みは、クリプト界ではよくあることです。

バランスシートがFTTにかなり依存しているという点に加えて、

  • FTTを担保として保有しているアルトコインの代表がSOLで
  • その他に持っているのがMAPS,OXY,FIDAなど
  • 価値を測る上で強さに欠けるアルトコインが占めていた

というのもマイナス材料でした。

BTCやETHのようなメジャートークンでもなく、USDTやUSDCのようなステーブルコインでもなく、資産の多くが独自トークンのFTTで、それを担保に保有しているのがさらに弱いアルトコイン。

かなりヤバいですよね。

それに対しAlameda ResearchのCEOの1人であるCarolineが「あくまでリークされた情報はバランスシートの一部でしかない」と反論しましたが、結局ものを言うのは周りの反応です。

もちろんクリプト民の反応は芳しくありませんでした。

 

CZが保有するFTTの売却を発表する

そういった背景を受けて、CZが保有するFTTの売却を発表します。

FTXの投資からEXITした際に受け取ったFTTは、BUSDと合わせて21億ドル分でした。

市場に与えるインパクトはとんでもないものがあります。

流動性の問題もありますから、数か月をかけて行うと言いましたが、FTTのホルダーからしたらたまったもんではありません。

ここで焦ったAlameda ResearchのCEOの1人であるCarolineが、22ドルの価格でFTTを買い取るOTC取引(大口の直接取引)を提案しました。

あえてオープンにすることでホルダーたちが22ドルという価格を底値に捉えてくれるようにしたかったのかもしれませんが、悪手ですよね笑

チャートを見ると、一応22ドルが心理的なポイントとして機能はしていたのが分かりますが、途中で一気に決壊します。

多くの人がFTTを利確して退避したため、FTTの価格は一気に下がり始めました。

これにはたまらずFTXが一切予告もせずに出金を停止します。

悪循環は止まりません。トレーダーたちは嬉々としてBinanceなどでFTTを空売りし、Botterたちは血眼になってDEXを渡り歩き、どんどんFTTは落ちます。

最終的に最安値は約2.5ドルをつけました。大暴落です。

SBFがCZに話を持ち掛け、CZがFTXの買収合意を発表する

バランスシートの大部分がFTTを占めるAlameda Researchは一気に破産へ向かって進んでいきます。ここまできたらどうしようもありません。

ということでSBFはCZに連絡を取り、FTXの買収を持ち掛けます。

CZは買い取りの合意を進めることを決定し、デューデリしている最中なのが今(2022/11/9現在)ですね。

 

まだ買収は確定していないためどうなるか分かりませんが、世界最大手のBinanceの一強がさらに加速しました。

中央集権を脱却しよう!が仮想通貨の思想なのに、なにこの中央集権。

我らがFTX JPも出金停止で、巷では「Binance JPってFTX JPを買収して名称変更するってことだったのか」なんてブラックジョークも飛び交っています。

FTTを滅ぼしてFTXを買収するCZの陰謀

起きたことを並べていくと、「いやCZの企んだ出来レースやんけ!」という面が見えてきますよね。

  • そもそもCZが保有FTTの清算予定を公に発表しなければ、FTTの売り逃げは起きなかった
  • 可哀そうだから助けてあげるみたいなスタンス取ってるけど、きっかけはお前だよ!

CZのツイートを見ていると、策士ここに極まれり、って感じです。

 

意訳すると…

今回の一件で大きな学びがあったよね。

1:独自トークンを担保にしないこと
2:借りるのはだめ。効率的な資本なんて使っちゃだめ。大きな蓄えを持つこと

バイナンスはBNBを担保になんて絶対しないもんね、負債なんて持たないし、絶対。

 

ここに私個人のフィルター意訳を挟むと

独自トークンで莫大な借金してるなんてカモじゃんw
そろそろ目障りだから消えてもらうことにしました、バイバーイ☆

って感じに映ります。

弱肉強食の世界ですし?賢いもの勝ちは当然なんですけど、FTTホルダーたちの痛手を思うとやっぱりクリプトは魔界だなぁと思いますね。

こんなときに乗れてこそのクリプト民だとは思いますが。

まだまだ自体は収まっていないので注意されたし

一連の経緯をまとめましたが、まだ事態は収束していません。

FTXの買収は今進められている最中ですが、Alameda Researchが買収されるわけではありません。

Alamedaが出資している企業・サービスはたくさんあります。

一緒にコケる可能性は大いにありますよね。

SOLも同じく暴落していますが、持ち直せるかどうかは今後のBinanceの動きにかなりかかっている部分があります。

期待して保有している銘柄がAlamedaから出資を受けていないか、一度確認しておくことをオススメします。

アップデート情報:FTXの買収ならず。さらばFTX

結果が出ました。

顧客資産の扱いもヤバイしウチの手に負えないので、買収はナシになりました。

 

さよならFTX。

あれからさらにリーク記事が出されましたが、どうもFTXはBinanceに泣きつくまえに、OKXやCoinbaseにすがりついて袖に振られた模様。

ムーブがめちゃくちゃだったみたいですね。

FTX JPに預けていた資産は返ってくる可能性大?

追加情報で、FTX JPに直接電話で問い合わせてくれた猛者がいました。

ツリーを読んでもらえれば分かりますが、顧客の資産はきちんとコールドウォレットで保管されているとのこと。

日本の法律上、マウントゴックス化はない、との返答だったそうです。

金融庁の制限にはウンザリすることもありますが、こういったときには助かりますね。

まとめ

FTTの暴落の背景を解説しました。

今年はイベント尽くしですね笑

これを機に、

  • 独自トークンは期待しすぎない。保有するならリスク管理をしっかり
  • 取引所に資産を置きっぱなしにしない。個人のウォレットで管理するべし
  • 一大イベントは稼ぐチャンス。先物ありがとうありがとうありがとう

しっかり資産を守りながら、美味しい機会を逃さないよう感覚を研ぎ澄ませていきましょう。